行政書士
鴨志田 勉
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除名についての司法審査の可否


問題の所在

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□懲罰権は濫用される危険があり、特に除名については議員の議席を失わせる重大さに鑑みると、国会議員は除名決議の効力を訴訟で争えるか、司法審査の可否が問題となる。



否定説

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□確かに、議員個人の人権保障の観点から、除名決議の効力を訴訟で争うことを認め、司法的救済を及ぼすことが妥当とも思える。
     ↓しかし
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□議員による除名決議は、議員懲罰権(58U)の1つとして、統一的国家意思形成の要請実現のため憲法が議院に認めた自律権。
     ↓
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□とすれば、議院の自律的判断こそが、当該除名についての最終判断性を有し、これに対して司法審査を行うことは、議院の自律的活動、ひいては国会による統一的国会意思形成に対する侵害として、権力分立に反し許されないと解する。
     ↓
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□従って、当該議員は、除名決議の効力を訴訟で争えないものと解する。



問題の所在

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□とすると、地方議会議員も、除名決議の効力を訴訟で争えないか。地方レベルでは、議会に自律権行使を認める憲法上の明文規定がなく、司法審査の可否が問題となる。



肯定説

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□確かに、地方議会も憲法上の「議決機関」(93)である以上、中央レベルと地方レベルとの分権(団地自治)の観点から、地方議会の自律的決定にも、原則、最終判断性を認めるべき。
     ↓しかし
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□国会に対して、地方議会には統一的国家意思形成の要請がないことから、自律権の程度が弱い。
     ↓
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□とすれば、除名のように議員の身分喪失に関する重大事項として市民法秩序につながる問題については、単なる内部規律の問題にとどまらないとして、これに対する司法審査を認め、被除名議員の司法的救済を図るべき。
     ↓
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□従って、地方議会議員の場合、除名決議の効力を訴訟で争うことができると解する。