Prologue
ヘッジファンドって? |
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□ヘッジファンドとは、株式・債券・外国為替・商品や金融に派生する商品などを各市場にまたがって投資する、一種の投資信託のこと。
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□要するに、お金を貸し借りすることを、国境を超えて行なう無国籍・無免許の金融機関みたいなもの。
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ヘッジって? |
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□ヘッジというのは、経済用語では、通常、リスク回避という意味で使われます。この意味とヘッジファンドとは無関係なので、ご注意を。
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無国籍金融機関って? |
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□無国籍だから、誰もその実像を知らない。お金をいくら集めているのか。何社あるのか。誰が運営しているのか。誰から集めて、どこに投資しているのか。どの国の支配も規制も監督も受けない。
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□もちろん、誰も保証などしてくれない。勝手にお金を集め、勝手に破綻すれば、お金を出した人が損をして終わり。
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ヘッジファンドが何をしてきたか
銀行破綻と公的資金投入 |
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□ヘッジファンドに保証などないから、勝手にお金を集め、勝手に破綻すれば、お金を出した人が損をして終わるのが通常。
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□でも、お金を出したのが銀行の場合、そう簡単にはいかないのです。ヘッジファンドが破綻すると、銀行が破綻することになります。銀行が破綻すると、銀行の破綻はその国の納税者のお金で、補填しなければならなくなります。特に、大手の銀行の場合、利害関係人があまりにも多く、銀行をつぶした場合の不利益が計り知れないからです。
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カラ売り |
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□カラ売りとは、持っていないのに売り注文を出すこと。
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□例えば、サボリーニは、現在、株を持っていないけど、<1>A証券会社に、「X株を3日後に1万株売る。」と売り注文を出します。するとX証券会社は売り注文を出して、誰か買いたい人と契約します。日本だと通常、4日目に株券を持っていかないといけません。そこで、他人の株券を借りて持っていきます。例えば、2ヶ月という期限付きで。
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□その期限前に、今度は<2>A証券会社に「X株を1万株買う。」という注文を出して、現金で買います。それで、その前に渡した株券を返してもらうわけです。
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□どういうことかというと、こういうことです。何もないのに、<1>例えば1,000円で1万株売ったとすれば、手元に1,000万円入ります。
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□その後、2ヶ月の期限付きで買い戻すんですけど、たまたま株が700円まで下がっていたとすると、その株を1万株買うのに700万円で済むことになります。つまり300万円が儲けになるわけです(1,000万ー700万)。
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□このカラ売り。何もないところからはじまるのがミソ。後から買い物をするわけですから、値段が下がるほど儲かりますが、逆に上がってしまったら最悪。ですから、株価が下がりそうなときにカラ売りをかけておくのが基本なんです。
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カラ売りの具体例
イギリスのポンド危機
タイの株価暴落
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